子どもに言ってはいけない言葉
先日、ランチに入ったファミリーレストランでのこと。
僕のすぐ近くの席に、小さな男の子2人とお母さんのご家族連れがいた。
「1人で男の子2人を見るのは大変だなあ」なんて思いながら過ごしていたのだが、聞こえてくる会話に、少し気になる点があった。
「走らないで」
「騒がないで」
「寝転がらないで」
そのお母さんが子どもたちに向ける言葉が、全て「〇〇しちゃダメ」「〇〇しないで」といった、否定形の言葉ばかりだったのだ。
人間の脳は、「否定形を認識できない」という性質を持っている。
例えば、こう言われたらどうだろう。
「今から、シロクマのことを、絶対に考えないでください」と。
ほとんどの人は(というか、人間であれば100%なのだが)、必ずシロクマのことが頭に浮かんでしまう。
人間の脳は、「ない」ものが、理解できないのだ。
「走らないで」と言われても、脳は「走る」状態をイメージしてしまう。
「騒がないで」と言われても、脳は「騒ぐ」状態をイメージしてしまう。
そして、脳は「意識を向けたものを実現しようと働く」という性質も持っている。
「引き寄せの法則」という言葉があるが、これも「脳が意識を集中させたものが実現する」という現象にすぎない。
だから、「〇〇しない」という言葉を発しても、脳は「〇〇」の部分だけに反応し、その状態をイメージしてしまう。
すると、脳は無意識的に、「〇〇」を実現するために働き始める。
少なくとも、脳科学的な観点から言えば、以下のような言い方をした方が、はるかに効果的ということになる。
「ゆっくり歩いてね」
「静かにしてね」
「ちゃんと座っててね」
<まとめ>
・人間の脳は、「否定形(ないもの)を認識できない」という性質を持っている。
・人間の脳は、「意識を向けたものを実現しようと働く」という性質を持っている。
・何かを否定形で言いそうになったら、肯定形に言い換えられないか考えてみる。